チョウチョウウオってどんな生き物?「サンシャイン水族館 いきもの研究室」でチョウチョウウオについて深掘りしよう!
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2022.04.25
投稿日:2022.04.25 更新日:2023.03.15
水族館の大きな水槽で悠々と泳ぐ生き物を見ていると、そこが本当に海かのように感じることがあります。
ジンベエザメやエイなど、思い浮かべる生き物は人それぞれかと思いますが、「ウミガメ」も広い海を思わせてくれる生き物なのではないでしょうか。
ウミガメがヒレ(四肢)を大きく動かしてグングン泳ぐ姿はとても力強く、海の雄大さを象徴するかのようです。
今回は、そんなウミガメをピックアップしてご紹介。
知っているようで知らなかった、ウミガメの生態に迫りたいと思います!
目次
ウミガメはカメ目ウミガメ上科に分類される構成種の総称です。
現生種はウミガメ科とオサガメ科の2科・6属・7種が知られており、7種のうちアオウミガメ・アカウミガメ・タイマイは日本でもよく見られるウミガメと言われています。
日本でよくみられる種を含めてウミガメは全世界の暖かい海に生息しています。
四肢は上下に平たく、特に泳ぐ時に大活躍するヒレのような前脚は長大。前脚をオールのように使って水をかき、後ろ脚で舵をとるといった泳ぎ方をします。
寿命はアオウミガメ、アカウミガメが約70~80年、タイマイが約30~50年ほどだそうです。
海で生活するウミガメに対して、陸で生活するリクガメというカメも存在します。
生活する場が違うということは名前から想像がつきますが、このふたつの生き物には、他にどういった違いがあるのでしょうか。
まずウミガメとリクガメでは甲羅の形が違います。
ウミガメの甲羅は平らであるのに対して、リクガメの甲羅は高く盛り上がっています。
ウミガメの甲羅は海中で速く泳ぐために水の抵抗を受けにくいよう、流線形に甲羅が進化したと考えられているそうです。
また四肢の形にも違いがあります。
ウミガメの四肢は先述したようにヒレ状になっていますが、リクガメは陸を歩きやすいよう、どっしりとしていて爪もよく発達しているのが特徴。
この足、リクガメは甲羅の中にしまえますが、ウミガメはしまえないという違いもあります。
リクガメは危機を察知したら甲羅の中に縮こまって身を守り、ウミガメは素早く泳いで逃げることで危機を脱するのです。
ウミガメは海の中で生活しているため、潜りっぱなしと思われるかもしれませんが、海洋性爬虫類の一種であるためエラ呼吸ではなく肺呼吸を行います。
つまり、魚のようにずっと水の中にいることはできません。
人間と同じように肺呼吸をしているため、息継ぎのタイミングで海面に上がってきます。
息を止めていられる時間は最長で3~5時間とも言われていますが、息継ぎをしなければいけないことには違いありません。
休憩中は20分ほど海面に顔を出していることもあるそうなので、運が良ければ顔を出しているウミガメに会えるかもしれませんね!
ウミガメの住処は海ですが、産卵のために上陸します。
上陸するのは午後9時頃~午前3時頃まで。
上陸する時のウミガメは警戒心MAX! すぐには上陸せず、しばらく波間をただよい、十分安全が確認できたら上陸します。
砂浜に上がったら、しばらく口を砂につきたてて砂浜の様子を確認。安心して産卵できる場所を探します。
産卵できる場所が決まると、四肢を使って体が砂に沈むくらいの深さになるまで砂をかき分け、穴が掘り終わったらそこに産卵。
10秒おきに2~3個のペースで、30分ほどかけて100~140個ほどの卵を産むんだとか!
産卵が終わったら卵に砂をかけて埋め、海に戻っていきます。
産まれたばかりの子ガメには、とある本能が備わっています。
産卵から約2カ月後、夜に卵から子ガメが孵化。
子ガメたちは砂の中から出て、月などの光を反射して陸よりも明るくなっている海へと向かいます。
砂から脱出した子ガメたちは前肢を活発に動かして海へ。海に入ったあとも活発な遊泳が続き、沖合へと向かうのです。
この活発な状態は砂から脱出後約24時間も続き、24時間を過ぎるとピタッとおさまるんだとか。
子ガメたちにとって砂浜から沖合に出るまでがもっとも危険が多い場所。
海岸ではカニ、カラス、カモメなどが待ち構え、浅瀬には魚、サメといった多くの天敵が存在します。
子ガメたちには、生まれながらにしてこの危険地帯を切り抜けるまで動き続ける「フレンジー」という本能が備わっているのです。
実は現在世界に分布しているウミガメは、すべてIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト(絶滅のおそれがある野生動物の種のリスト)に掲載されています。
先述のようにウミガメは一度の産卵で100個以上の卵を産みますが、砂浜では人間による卵の密猟が後を絶たない他、孵化した子ガメの多くはカニや鳥などに襲われて命を落としてしまうのです。
海にたどりついても魚に食べられてしまう子ガメも多く、厳しい自然の中で1年以上生き続けられるものはごくわずかと言われています。
WWF(世界自然保護基金)は、世界各地でウミガメの保護や調査、生息環境である海洋を保全する活動に取り組んでいるそうです。
今、埋め立てや工事、船舶からの油や化学物質の流出などにより、生き物にとって生死に関わる海洋環境になりつつあります。
私たちにできることはごく小さなことかもしれませんが、海にゴミを投げ捨てない、油をそのまま排水口に流さないなど、一人ひとりが当たり前のことを当たり前に行うことで、少しでもウミガメを含めた海洋生物の生きる環境が変わっていくのではないでしょうか。
いきものグッズ専門ネットショップ『いきもーる』では、ウミガメのグッズを販売しています! サラッと身につけられるもが多いので、外出の際、ぜひウミガメを一緒に連れて行ってあげてください!
ここからは、『いきもーる』で絶賛販売中のウミガメグッズをご紹介します。
ニュージーランド在住のアーティストkyokoさんによるウミガメデザインのTシャツです。
しっかりとした素材なので、外出時にどんどん着用してください。
このTシャツを着れば、いつでも海やウミガメをそばに感じられること間違いなしです!
またこのTシャツの売上はウミガメを保護する活動に利用されます。
同じ色・デザインの男性用Tシャツも販売しているので、男性女性問わず、ぜひ手に取ってみてください。
日本近海に生息し、産卵にも訪れるアカウミガメをモチーフにしたチャームです。
甲羅や腹部など、アカウミガメの特徴が丁寧に再現されています。
金具を換えてネックレスやピアスにすることもできるため、いつでもどこでも、自分の好きなスタイルでウミガメを連れて歩くことができます!
デフォルメされた愛らしいウミガメが、消しゴムはんこになりました!
ヒレを大きく広げて羽ばたくように泳ぐつぶらな瞳のウミガメがとってもキュート。
メッセージカードやポチ袋、お仕事でのメモや伝言に添えても◎
忙しい毎日にちょっとした癒しを与えてくれるはずです。
卵から孵化して海へ向かう子ガメをモチーフにしたピアスです。
まだ小さな体を懸命に動かして海に向かう様子が伝わってきます。
一つひとつ手作業で製作されているとのことなので、色味などに個体差あり。
甲羅側だけでなく腹部も作り込まれているため、たまにひっくり返して見てみるのも楽しいかもしれません。
縦横1.5cmと小振りなので、さりげなく耳元を飾ってくれます。
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