【~2024/11/24まで開催】「もうどく展 極」へ行ってみた!【後編】
これまで3回にわたり大反響を呼んできた『サンシャイン水族館』の「もうどく展」シリーズ。名前を聞くだけで冷汗が出そうなイベントが、今年はこれまでの集大成として、さらなるバージョンアップをして帰ってきまし…
2020.01.31
投稿日:2020.01.31 更新日:2024.07.30
夜の『サンシャイン水族館』に悲鳴が響き渡る"あのイベント"が、2020年も始まりました。そう、お化け屋敷プロデューサー・五味弘文氏の全面プロデュースによる「ホラー水族館」です。
2016年の第1弾は「呪いの水櫛」、2017年の第2弾は「あやかしの人魚」、2018年の第3弾は「七人ミサキ」と、毎年異なるオリジナルストーリーをベースに、水族館という特殊な環境を生かして、視覚・聴覚から参加者をズルズルと「恐怖」へ引きずり込んでいく、新しい恐怖体験が大好評。これまでのシリーズ合計で、約6.5万人を動員しています。
2020年1月23日(木)〜3月8日(日)の期間で開催されている第4弾のテーマは、ギリシャ神話に登場する海の妖女「セイレーン」。想像上のいきものとされていた「セイレーン」が捕獲され、『サンシャイン水族館』にて生体展示がおこなわれることとなったのですが…。
一体、今年の「ホラー水族館」ではどんな恐怖が待ち受けているのか、『いきふぉめ〜しょん』編集部1の怖がりが、内覧会に参加して実際に体験してきました…。ネタバレにならないよう、イベント内容のごく一部に限りますが、体験レポートとしてお届けします!
目次
近年の異常気象によって海洋の環境も急激に変化し、以前なら見ることのなかった深海の魚が網にかかるようになった。このような変化の中、かつては想像上の生き物だと考えられていたものが発見されることもある。
セイレーンもそのひとつである。
2019年12月、日本の近海において魚の網に掛かった謎の生物が捕獲された。その姿は、人間の女性に似ていたが、明らかに人間とは違っていた。手足が鳥のようだったからだ。
この珍しい生き物を生きたまま捕獲しようとした漁師の一人は、鋭い歯によって喉を食い破られて死亡した。また別の漁師は、長い爪によって腹を割かれ、重傷を負った。
ようやく取り押さえ、海洋生物学研究室に持ち込まれた時、生物学者は驚きの声を上げた。それが、長年研究をしていたセイレーンだったからである。しかし、その姿や生態は、多くの絵に描かれたような妖艶な女性ではなく、もっと凶暴な野生動物に近いものだった。
今回、サンシャイン水族館では、実際に生きているセイレーンを展示することとなった。これは、史上初の快挙であり、世界中の注目を集める貴重な展示である。セイレーンの描かれた絵や書物、ミイラ、骨などと共に楽しんでもらいたい。
しかし、生体展示をするに当たって、何人もの水族館スタッフが犠牲となっている。
セイレーンの生態が十分わかっていないため、予想もし得ないことが起こるかもしれない。この観覧は貴重な体験だが、自分の身は自分で守りながら体験してほしい。
「自分の身は自分で守りながら体験してほしい」だなんて…、嫌な予感しかしないじゃないですか! 「予想もし得ないことが起こるかもしれない」って…、絶対何か起こるじゃないですか!
と思いつつも、行かないという選択肢はありません。
時刻は、19:00。覚悟を決めて、いざ、『サンシャイン水族館』の中へと足を踏み入れていきます。
今回の「ホラー水族館」は、日中の水族館の順路とは異なるルートを進んでいくので、屋外エリア「マリンガーデン」を通過して、本館へと向かいます。
暗くなった空に、冬の冷たい空気。薄明かりの中、水槽に流れる水の音だけが聞こえていて…。まさに、ホラー映画かゾンビ映画のような不気味な雰囲気が漂っています。
まだ、何も始まってないのに、すでに怖い…。このまま、入り口に戻っちゃダメですか? ダメですよね。
本館に入ると、いよいよスタートです。
入り口に置かれているのは、『サンシャイン水族館』館長・丸山克志さんの「ご挨拶」パネル。
館長さんの誇らしげな顔をご覧ください。何かあったらあなたのせいですからっ!
最初は、「セイレーン」の資料展示エリアです。ここで理解を深めてから、生きた「セイレーン」を観ようということのよう。
水槽が青い光を放っているせいか、館内はいつもより暗く、ちょっと神秘的な空間にも思えるのですが、この後に待ち構えているであろう恐怖のことを考えると、急に不気味な感じがしてくるから不思議。「セイレーン」にまつわる歴史的な資料は、青く光る水槽の前に展示されています。
「セイレーン」は、ギリシャ神話に登場する海の生物。美しい声で船乗りたちを誘惑し、船を難破させたり、食い殺したりすると言われています。
地域や時代によって、その姿は少しずつ異なり、元々はこのイラストのような半人半鳥や、女性の顔を持つ鳥のような姿で描かれていましたが、中世以降は鳥から魚へと変化し、尾が2つに分かれた人魚のような姿で描かれることが多くなりました。
展示資料は、イラストや書物のほか、手、さらにはミイラも。
妖艶な女性とされることの多い「セイレーン」ですが、実態はこんな恐ろしい姿だったのですね…。うーん、ちょっと複雑。
資料展示エリアを抜けると、まもなく、「セイレーン」の生体展示コーナーです。
「セイレーン」はとても凶暴で、生体展示をするに当たって、何人もの水族館スタッフが犠牲となっているとのこと。そのため、「セイレーン」の水槽の前では十分に注意してくださいとのアナウンスが。
自分の身は自分で守れと言われても…、どうすればいいの?なんて考えているうちに、「セイレーン」の水槽の前に到着。もう、覚悟を決めるしかありません。
そしてついに、ついに、「セイレーン」とご対面!
…のはずが、水槽の中に入っていたのは、『サンシャイン水族館』のスタッフさんのご遺体。
「セイレーン」は、水槽から抜け出し、水族館のスタッフさんを殺害して、『サンシャイン水族館』内をうろついているようなのです。ほら、やっぱり事件が起こったじゃない!
世界が注目する史上初の貴重な企画展は、展示の目玉である「セイレーン」の脱走により、生死をかけた危険な企画展へと早変わり。参加者たちを、一気に恐怖のどん底へと引きずりこみます。
こうなってしまった以上、やるべきことはただ一つ! 『サンシャイン水族館』からの脱出です。水族館内をうろつく「セイレーン」に見つからないよう、参加者たちは、そーっとそーっと、出口をめざして進んでいきます。
道中には、『サンシャイン水族館』のスタッフさんのご遺体が。それも、一人じゃありません。これは…、見つかったら即終了ですね。
ほかの参加者さんの動く気配でびっくり。悲鳴でもびっくり。もう、パニックです。
しばらく暗い道を進むと、ようやく明かりが見えてきました。そこは、大水槽「サンシャインラグーン」。
巨大な水槽の水が真っ赤に染まっていて、やっぱりなんだか不気味。もしかしなくてもこの赤色って…。考えるのを止めよう。
とはいえ、これまで進んできたコースと比べるとかなり明るく、ほっと、一安心。と思いきや…。
い、いた!「セイレーン」! み、みつかったか!? まだ、気づかれてない…?
ここを過ぎれば出口はもうすぐ! バレないようにそーっと、赤い水槽の前を通過し…て…!?
参加者たちは、無事に『サンシャイン水族館』から脱出できるのか!? 思わず声が、もしかしたら涙も出ちゃう、ハラハラドキドキのクライマックスは、実際に「ホラー水族館」に入って、体験してみてください。
『サンシャイン水族館』内の「ショップ アクアポケット」では、「セイレーン」をイメージした、「中西怪奇菓子工房。」と「ホラー水族館」のコラボレーション商品が販売されています。あんなに恐ろしかった「セイレーン」も、グッズになるとこんなにかわいい…!
開催期間 | 2020年1月23日(木)~3月8日(日) |
営業時間 | 月・火・水・木/18:30~21:00 金・土・日・祝/18:30~22:00 ※最終入場は営業終了30分前 ※水族館の通常営業は18:00まで(最終入場17:00) |
会場 | サンシャイン水族館 東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上 |
ワールドインポートマートビル・屋上 |
区分 | 当日券 | 前売券 | 年間パスポートをお持ちの方 |
年間パスポートをお持ちの方 | 3,500円 | 3,200円 | |
大人(高校生以上) | 2,200円 | 2,000円 | 1,100円 |
こども(小・中学生) | 1,200円 | 1,100円 | 600円 |
幼児(4才以上) | 700円 | 600円 | 350円 |
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