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2022.09.13
投稿日:2022.09.13 更新日:2023.03.15
夜にふと窓の外を見ると、とある生き物がペタッと張りついていた、なんていう経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
トカゲのような形態のその生き物は……、そう、ヤモリです。
ヤモリは縁起が良い生き物だとも言われていますが、その生態を詳しく知っているという方は、そう多くはないかもしれません。
また、イモリとの違いに混乱してしまう方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、ヤモリの知る人ぞ知る生態やイモリとの違いに迫っていきます!
目次
日本で「ヤモリ」と呼ばれる多くは「ニホンヤモリ」で、爬虫類綱有鱗目ヤモリ科ヤモリ属に分類されるトカゲの一種です。
実はこのヤモリ、名前こそ「ニホンヤモリ」ですが外来種と考えられており、日本の固有種ではありません。日本に定着した時期ははっきりとわかっていませんが、平安時代以降だと考えられています。
全長10~14cm程度で、体色は灰色や褐色。不鮮明で暗いまだら模様を持っているのが特徴です。
カメレオンほどではありませんが、環境に応じて体色の濃淡を変化させることもできるんだとか。
ヤモリとよく間違われがちなのが、イモリ。
名前が似ているためどっちがどっちだかわからなくなる方も多いですが、ヤモリには爪がありますが、イモリには爪がありません。
また、ヤモリもイモリも四つん這いでトカゲのような形態はよく似ていますが、ヤモリは爬虫類、イモリは両生類という大きな違いも。
爬虫類であるヤモリは肺呼吸をし、両生類であるイモリは主に皮膚呼吸をします。
皮膚呼吸をするイモリは皮膚が湿っているため、そういった点でも見分けることができそうですね。
ヤモリは窓ガラスや天井にぴったり張りついていることが多いですよね。
あんなにもツルツルそうな手(指?)をしているのに、なぜ床と垂直な窓ガラスや、体が逆さになってしまう天井にしっかりくっついていられるのでしょうか?
ヤモリには吸盤も粘液もありません。実は、「趾下薄板(しかはくばん)」と呼ばれる器官がヤモリの体を支えているのです。
趾下薄板には超微細な剛毛が生えています。さらに毛の先端には0.2~0.5ミクロンの小さな突起がついており、この突起一つひとつに「ファンデルワールス力」という分子と分子が引きつけ合う力が発生し、窓ガラスなどの面にくっついていられるのです。
この力が、ヤモリがありとあらゆる場所に張りつくのを助けています。
冒頭でも触れたように、ヤモリは「縁起が良い生き物」とされています。
ヤモリは漢字で書くと「家守」。漢字そのまま、いかにも家を守ってくれそうですよね。
実際、ヤモリが食べるのはクモやゴキブリ、シロアリなどの害虫です。
またヤモリの性格は臆病で毒性もありません。人に危害を加えることが無いため、益獣として扱われています。
さらにヤモリは古くから幸運のシンボルとされており、開運のご利益があると言われているのです。
中でも珍しいのが白いヤモリ。この白いヤモリは金運の象徴としても知られています。
ヤモリは爬虫類なので「見た目がちょっと苦手……」という方もいらっしゃるかもしれませんが、家にとってはむしろ歓迎すべき存在なのかもしれませんね。
どうしても苦手だという方が家の中でヤモリを発見した場合は、新聞紙などにのせて窓から逃がしてあげましょう。
「尻尾切り」といえばトカゲが頭に思い浮かぶ方も多いでしょう。
天敵などから逃げるために、あえて自分の尻尾を切断しておとりにする特徴的な行動です。
「自切(じせつ)」と呼ばれるこの行動は、実はヤモリも行います。
自切した尻尾はくねくねと動くため、天敵の注意を引きやすいのです。
切れた尻尾はトカゲ同様に再生します……が、完全には再生しないそう。
再生された尻尾は色が体と少し違っていたり短くなったりするため、自切をしたことがあるヤモリかそうでないヤモリかは、意外と見分けがつきやすいです。
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